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清算所得における債務免除益と期限切れ欠損金

平成22年度の税制改正により、法人の清算所得の計算方法が変更されました。

清算所得の計算上、債権者が債権放棄を実施した場合、法人において計上される債務免除益が益金となり、課税所得を構成することになります。

特に役員からの借入金や未払金が返済されていない場合、注意が必要となります。

債務免除益が法人において計上される場合、期限切れ欠損金の損金算入により、税負担の最小化を図ることになります。

残余財産がないと見込まれる場合に限り適用することができるので、残余財産は全て債務の返済に充当する等、事前の処理が必要です。

事例

資本金500万円の同族会社(青色申告)とする。

資産 現預金 200万円
負債 代表取締役に対する借入金、未払金 700万円
欠損金 1000万円(青色欠損金400万円、期限切れ欠損金600万円)

負債の返済
現預金200万円を返済に充当 → 残余財産がなくなる

代表取締役の債権放棄
700-200=500万円の債権を放棄 → 法人に債務免除益が計上される

清算申告書上の処理

債務免除益 500万円-青色欠損金400万円-期限切れ欠損金100万円=課税所得 0 となります。

※期限切れ欠損金には白色申告法人の欠損金も該当します。またマイナスの資本金等の額も期限切れ欠損金と同様に取り扱われます。