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区分所有法の見直しは待ったなし

マンション管理組合の運営について、何件か関与しておりますが、決議事項の多数決要件を満たすのは非常に困難です。

特に共用部分や規約の変更についての多数決要件4分の3を確保するのはとても大変で、相続などで所在等不明の区分所有者や、集会に参加せず賛否も明らかにしない区分所有者が多数いる場合、ほぼ不可能です。

どんなマンションも築10年以上を過ぎてくると、原始規約が現状と合わなくなってきます。

細則の変更だけでは対応できず、規約を変更しようとなると、4分の3の壁が立ちはだかり、結局何も変更できません。

このままでは管理不全状態に陥るマンションが続出するでしょう。

政府も手をこまねいているわけではなく、区分所有法制の見直しに着手しています。

検討事項は以下のようになります。

1 区分所有建物の管理の円滑化

(1)集会の決議一般の円滑化(反対者と同様に扱われる所在等不明区分所有者を決議の母数から
除外する仕組み、反対者と同様に扱われる集会に出席せず賛否も明らかにしない区分所有者
を除外して出席者の多数決による決議を可能とする仕組み等)
(2)区分所有建物の管理に特化した財産管理制度(管理不全状態にある専有部分や共用部分の管
理に特化した新たな財産管理制度の検討等)
(3)共用部分の変更決議の円滑化(多数決要件4分の3の引き下げ等)

2 区分所有建物の再生の円滑化

(1)建替えを円滑化するための仕組み(多数決要件5分の4の引き下げ等)
(2)建替え決議がされた場合の賃借権等の消滅
(3)区分所有関係の解消・再生のための新たな仕組み(多数決による建物・敷地一括売却や建物
取壊し等)
(4)全員同意が必要な一棟リノベーション工事を多数決により可能とする仕組み

3 被災した区分所有建物の再生の円滑化

(1)建替え・建物敷地売却決議等の多数決要件の緩和
(2)大規模一部滅失時の決議可能期間(1年以内)の延長

一刻も早く、区分所有法の見直しが望まれます。