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固定資産税評価額 住宅(家屋)の経年減点補正率

fbl_030_128賃貸用不動産(鉄骨鉄筋コンクリート造)を保有している方から、築40年ほどの建物の固定資産税が高すぎる、評価額がどうしてこんなに高いんだと言われたので調べてみました。

まず総務省の固定資産評価基準(家屋)を調べてみます。276ページもあります。くらくらしてきます。

268ページに住宅、アパート用建物に対応する経年減点補正率表があります。

※木造家屋は84ページに対応する経年減点補正率表があります。木造の場合は経年減点補正率が0.2000に達するのは15~35年となります。

固定資産税評価額 経年減点補正率 (木造家屋)
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icon-check-square-o 経年減点補正率はゼロにはならない

一般的な鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造では経過年数60年まで、経年減点補正率が設定され、60年経過以上のものは再建築価額の20%となります。

評価額はゼロにはならないのです。

60年ももつ鉄骨鉄筋コンクリート造の建物がどれだけあるのでしょうか。

建築確認が必要な大規模修繕をかけたら、市町村の固定資産税担当者がやってきて、また評価額をあげられてしまいます。

10年単位での経年減点補正率は以下のようになります。
10年経過の経年減点補正率は0.6386
20年経過の経年減点補正率は0.5509
30年経過の経年減点補正率は0.4632
40年経過の経年減点補正率は0.3754
50年経過の経年減点補正率は0.2877
60年経過の経年減点補正率は0.2000

仮に計算をしてみましょう。

取得時の住宅(家屋)の時価が5000万円の物件とします。再建築価額は仮に時価の6割とします。

この30年間、インフレが起きていないと仮定します。

再建築価額×経過年数に対応する経年減点補正率=固定資産税評価額

1年前に建築した住宅の評価額は5000×0.6×0.8=2400万円
icon-chevron-right 固定資産税の評価額って低いやん

10年前に建築した住宅の評価額は5000×0.6×0.6386=1915万円
icon-chevron-right 時価と同じぐらいかな

20年前に建築した住宅の評価額は5000×0.6×0.5509=1652万円
icon-chevron-right 内装バブリーだったから、まあそんなもんか

30年前に建築した住宅の評価額は5000×0.6×0.4632=1389万円
icon-chevron-right ええ~そんな評価額あるう~ 不動産屋は土地の値段しか考慮してくれないけど~

となります。

住宅の固定資産税評価額と時価が逆転するのは、築30年目ぐらいからでしょうか。

経年減点補正率は0.2000で終わりなので、住宅を保有しているだけで延々と固定資産税はかかります。

実際には築30年以上の住宅は市場価格としてはほぼゼロ評価ですが、固定資産税評価額がゼロになることはないので、実態と乖離した評価額が延々と続くことになります。

土地は別途評価され、物価に連動し、減価もしないので、誰も借り手もいないアパートやマンションを保有されている方は固定資産税の負担だけで完全にキャッシュアウトで赤字です。

これからの空き家がどんどん増えていくと、建替の余裕もなく、借り手も買い手もいない物件もどんどん増えていきます。

市町村が固定資産税滞納物件を差押えて公売にかけても、買い手がいない物件がどんどん増えていきます。

それでも市町村は税収の半分を占める固定資産税の評価額を下げると途端に税収不足に陥るので、無制限に下げるようなことは絶対にしません。

そして、固定資産税評価額と、地域によっては無制限に下がっていくであろう時価との乖離はますます大きくなっていくものと予測されます。