住居(木造)についての経年減点補正率についても、試算してみました。
まず総務省の固定資産評価基準(家屋)の84ページが木造家屋です。
一般的な木造家屋は、再建築評点数が50,000点以上79,000点未満に該当します。この場合、経年減点補正率が0.20に達するのは20年となり、そのまま0.20が続きます。
経年減点補正率による固定資産評価額の試算
一般的な木造家屋では経過年数20年まで、経年減点補正率が設定され、20年経過以上のものは再建築価額の20%となります。評価額はゼロにはなりません。
木造家屋も20年も経てば、いろんな箇所に修繕が必要になりますが、建築確認申請をあげる必要のない修繕の場合は、再建築価額もそのままとなります。某テレビ番組でやっているような大規模なリフォームは、建築確認を申請しているでしょうし、目立ってしまうので、市町村の固定資産税担当者に把握され、再建築価額が再計算されて固定資産税評価額も増額となるでしょう。
5年単位での経年減点補正率は以下のようになります。
5年経過の経年減点補正率 0.64
10年経過の経年減点補正率 0.49
15年経過の経年減点補正率 0.35
20年経過の経年減点補正率 0.20
以後、ずっと0.20が建物が除却されるまで続きます。
仮に計算をしてみましょう。
取得時の住宅(家屋)の時価が3,000万円の物件とします。再建築価額は仮に時価の6割とします(通常5~7割)。
20年間、インフレが起きないと仮定します。
再建築価額×経過年数に対応する経年減点補正率=固定資産税評価額
※評点1点当たりの価額は考慮しておりまぜん。
1年前に建築した住宅の評価額は3,000×0.6×0.80=1,440万円
新築価額の半額じゃないですか ラッキー
5年前に建築した住宅の評価額は3,000×0.6×0.64=1,152万円
まだまだ評価額は低いねえ
10年前に建築した住宅の評価額は3,000×0.6×0.49=882万円
順調に評価額は下がっている
15年前に建築した住宅の評価額は3,000×0.6×0.35=630万円
ついに新築時の5分の1になってしまった
20年前に建築した住宅の評価額は3,000×0.6×0.20=360万円
評価額が低くなったのはいいけど、売るときの建物の価格もこんな低くなるの?
30年前に建築した住宅の評価額は3,000×0.6×0.20=360万円
なんかずっと評価額一緒で全然固定資産税下がらないんですけど
となります。
住宅(木造)については、鉄骨造に比べて、劣化が早いということと、戸建て住宅の大半を占める木造家屋の固定資産税について政策的に早く減価するように定めているのではないでしょうか。
経年減点補正率は0.2000で終わりなので、住宅を保有しているだけで延々と固定資産税はかかります。
固定資産税 木造家屋 自動計算フォーム
※建物の再建築価額は、取得時の時価の6割とします。目安として利用してください。軽減措置及び評点1点当たりの価額は考慮しておりません。
固定資産税 1.4% 都市計画税 0.3% とします。
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総務省 固定資産評価基準(家屋)