管理組合は、会計帳簿に基づき収支状況及び財務状況を正確に反映した会計書類を整備する必要があります。
理事長は、通常総会において、新会計年度の収支予算案を提出するとともに、収支決算案を監事の会計監査を経て報告し、総会の承認を得なければなりません。
適正な会計書類の作成が、管理組合の運営には不可欠となっています。
※マンション管理組合の財務会計に関する会計基準の考え方と課題の整理 参照
管理組合は、通常以下の会計書類を作成します。
収支予算書
貸借対照表
財産目録
附属書類
収支予算書
管理規約で定められた業務を行うため、翌会計年度の収入と支出を見積もり、収入予算と支出予算を一覧表にまとめたもの
・翌会計年度に予定される収入と支出の内容と金額を表示
・管理費会計(一般会計)及び修繕積立金会計(特別会計)に区分して作成
・経常的に発生する費用と、臨時で発生する予定の費用を明示
必要に応じて、駐車場、駐輪場、集会施設等の施設使用料を管理する特別会計を設ける
確定した収支予算は管理組合の事業計画の基礎となるので、収支予算書に準拠して管理組合の事業(計画)が執行される必要がある(予算準拠主義)
収支計算書
一定期間における管理組合の収入と支出の状況を示したもの
・会計年度における収支の内容、その結果の収支尻がどうであったかを表示
・原則として、記帳方法は発生主義とする
・現金主義の場合はその旨を表示する必要がある
・収支計算書は、収支予算書との対比がしやすいように、書式、勘定科目などが同じであることが望ましい
・管理費会計と修繕積立金会計などを区分して経理する
予算の適正な管理を行うことが重要であることから、月次収支計算書などで月次ごとに予算に対する収支実績を確認することも必要
貸借対照表
会計年度末現在において、管理組合が所有している資産及び負債、正味財産の状況を示したもの
・資産-負債=正味財産
・借入金がある場合の借入金残高については、負債の欄に借入金残高を計上
・管理費会計及び修繕積立金会計などの貸借対照表は、別表にして作成することが望ましい
財産目録
管理組合の資産及び負債を科目ごとにそれらの金額を表したもので、前年度との比較も可能
・管理組合法人の場合には、法律上、作成する義務あり
什器備品台帳
管理組合が所有する事務机、椅子、収納キャビネット、コピー機械、テレビなどの什器を管理するための台帳
毎月一定の金額で収入があり、収入の大幅な増加が見込めない中、予算を設定して支出を管理するキャッシュフローの形態は学校法人に似たものがあります。