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民泊新法対策としての管理規約の改正

住宅宿泊事業法成立に伴い、民泊サービスを実施するものは都道府県知事へ住宅宿泊事業者の届出を行うことになります。

したがって、住宅宿泊事業者となれば、合法的に民泊サービスを実施することができます。

自分の住んでいるマンションが民泊マンションにならないために、管理組合は対策をとらなければなりません。または民泊マンションを許容する場合も管理規約の変更が望ましいとされます。

マンション標準管理規約の改正

マンション管理規約のひな型である「マンション標準管理規約」が改正され、住宅宿泊事業を可能とする場合と禁止する場合の双方の規定例が示されました。

住宅宿泊事業を実施する場合
12条2項 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる。

住宅宿泊事業を禁止する場合
12条2項 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。

大阪市などの特区民泊が可能な地域においては、特区民泊についての規定も必要となります。

区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用することができる(してはならない)。

また家主居住型の場合は可能とする場合、使用細則に委ねる場合の事例もコメントにおいて示されています。

管理規約の改正が必要な場合

「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」と規定されているだけでは住宅宿泊事業の可否を解釈することは難しいため、トラブル防止のためにも、住宅宿泊事業を許容するか否かについて、明確化しておくことが望ましい。

「宿泊料を受けて人を宿泊させる事業」等、住宅宿泊事業を包含する事業の可否について、管理規約上すでに定めている場合、あらためて管理規約を改正する必要はない。

平成30年3月15日からは住宅宿泊事業の届出が開始される予定であり、個々の管理組合においては、標準管理規約を参考にして、可及的速やかに住宅宿泊事業を許容するか否かについて、明確化しておくことが望ましい。

管理組合の対策

管理規約等において禁止されていないことを裏付ける書面として、管理規約条項の写しの提出が求められます。住宅宿泊事業を許容する旨の規定となっていない場合は、管理組合に住宅宿泊事業を禁止する意思がないことを確認したことを証する書類の添付が必要となります。

したがって以下の手順で対策を講じる必要があります。

管理規約において、専有部分における住宅宿泊事業を許容するか否かを明確化する規程を設ける

規約改正の手続が住宅宿泊事業法施行までに間に合わない場合は、総会や理事会において、住宅宿泊事業を許容するか否かの方針を決議して議事録を作成しておく

平成30年3月15日からは住宅宿泊事業の届出が開始される予定であり、それまでに管理組合として総会もしくは理事会の決議を行うかどうかの方針を決めなければなりません。

通常、総会は1年に1回しか実施されません。臨時総会を開催するのは多大な労力がかかります。総会において方針をまだ明確化していないのであれば、少なくとも理事会において方針を明確化する必要があります。