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非居住者である親族についての扶養控除の適用

05191非居住者である親族について、扶養控除等の適用を受ける場合には、その親族に係る「親族関係書類」及び「送金関係書類」を、給与等の支払者に提出し、又は提示する必要が生じることとなりました。
国外居住親族に係る扶養控除等の適用について

また、2016 年分以後の確定申告において、非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける場合には、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を確定申告書に添付し、又は確定申告書の提出の際に提示する必要があります。

「非居住者」とは居住者以外の個人です。
「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいいます。

例として、日本人の場合には、外国に留学している子供を扶養控除の適用対象としたり、外国人の場合には外国にいる配偶者や子供を適用対象とする場合が考えられます。

扶養控除の金額は結構多額であるため、一族郎党扶養していることにして、外国人と結婚した日本人海外に家族を残して日本で働く外国人の場合、6割以上は所得税が課税されていなかったようです。これじゃまともに扶養控除を適用している日本人はやってられません。当然の改正と言えます。

例えば外国人と結婚した日本人や海外に家族を残して日本で働く外国人が、日本の会社で600万円の給与所得を得ていたとします。

給与所得控除後の所得が426万円となります。ここから社会保険料や雇用保険料、基礎控除等を控除して課税所得が350万円となったとします。

この課税所得に対して、海外に住んでいる親や子供、さらに親戚の子供やおじさんなど一族郎党を扶養していることにして扶養控除額を積み増していき、課税所得を圧縮していくのです。

扶養控除の額ですが
一般の控除対象扶養親族 38万円
特定扶養親族 63万円
老人扶養親族 同居老親等以外の者 48万円
となっているので、給与所得が600万円だとした6~7人扶養していることにすれば課税所得はゼロにできます。

この制度を悪用していた外国人の方にとってはなんと素晴らしい国ニッポンだったでしょう。

親族関係書類

次の①又は②のいずれかの書類(日本語での翻訳文も必要)

① 戸籍の附票の写しなど日本国又は地方公共団体が発行した書類及び非居住者である親族の旅券の写し

② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(非居住者である親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限る。)

送金関係書類

次の書類(日本語での翻訳文も必要)で、その年において非居住者である親族それぞれの生活費又は教育費に充てるための支払を行ったことを明らかにするもの。

① 金融機関が発行した書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により非居住者の親族に支払をしたことを明らかにする書類

② クレジットカード発行会社が発行した書類又はその写しで、非居住者の親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを利用して商品の購入や役務提供を受けたことに対する支払をしたことにより、その代金に相当する額の金銭を受領し、又は受領することとなることを明らかにする書類

給与計算担当者は、書類のチェックがまた増えて大変ですね。しかし後日、扶養控除額が税務調査で否認されると源泉所得税の追徴課税となり、一旦会社が負担することになりますので、厳密なチェックをしましょう。確定申告の場合も添付書類が増えることで今までのノーチェック状態よりは牽制がかかると思われます。

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